『imidas2007』

躍動感のある一冊。
imidas イミダス 2007
「読書」に入るのかは分からないけれど、イミダスは毎年買っています。『現代用語の基礎知識』や『知恵蔵』などの類書がある中で、イミダスの何がすばらしいかといえば、そのリアルタイム感。情報の新しさに関しては、他書の追随を許しません。こういう書籍は現在進行形でホットな用語を解説するために存在するのだから、社会を動かす波の最先端に焦点を当てるべきだと自分は思っています。そうした点から見れば、一年一回の改訂で最新水準を保ち続けられるこの本の魅力は十二分に感じられるでしょう。
本屋で購入するときには毎年他書と見比べているものの、実際3冊買っているわけではないので細かい違いの説明は今はできません。ただ、レイアウトなど本の全体構成、図の多さ、毎年改良を重ねている積極的編集姿勢には好感が持てます。その年の政治状況に合わせて焦点を絞った、内容充実の付録もためになります。たとえば、「日本の本当の意味での国力・国益とは何か」が注目されていた昨年発売のイミダス(2007)には、『国際比較「日本力」』という冊子。2006年度版には平成の大合併特集など、こちらも時流を見極めた内容となっています。また、用語解説だけでなく昨年度のニュース概説や、注目人物の解説なども大変充実しています。
ただ、類書と比べれば、読書の一環として読むのは辛いかもしれません。他書よりも機動力を重視しているため、長いスパンでの用語解説は若干弱いような気がします。政治なら政治、文化なら文化、各分野への多少の興味が無ければ理解しづらいかもしれません。逆に言えば、興味のある分野はどんどん調べてみたくなります。それぐらい新しい情報が多い。高校生の小論文勉強や、体系的に読み進めたい方には『現代用語の基礎知識』、専門分野を深めたい方や、トレンド重視の方には『imidas』という感じでしょうか。追記すると、『現代〜』は縦書き、『imidas』は横書きです。辞書は文字の見易さも大事だと思うので、文字が比較的大きく横書きのイミダスの方が、個人的には使いやすい印象です。
値段が高いという友人もときどきいるんですが、この情報量で2,500円程度。大衆紙1ヶ月分にもなりません。新聞を流し読みするよりも、ずっとためになると思います。大学受験の政経でも大いに役に立ちましたし、よっぽど変な内容にならない限り、来年以降も買い続けるつもりです。
 
imidas イミダス 2007
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