「お客様のドリンク代は前のお客様が」「じゃあ、私も次の人の分を」の繰り返しで350人余りが“おごり合い”リレー
いい話ですね。この話を読んで、映画の『ペイ・フォワード [DVD]』を思い出しました。
『ペイ・フォワード [DVD]』
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送った恩は、送った相手だけでなくその周りの人々も幸せにした。自分もね。
誰かに返したい恩、すぐに返せないなら、それを他の人に渡してあげる。送った恩は巡り巡ってあの人の元へ届く。世界が広がっていくこの時代にぴったりな、素敵なアクション。
「恩送り」と類似した考え方は、日本以外の国々、様々な共同体にも見られる。
英語圏では近年Pay it forward(ペイ・イット・フォーワード)の表現で再認識されるようになった。
Pay it forward or paying it forward refers to repaying the good deeds one has received by doing good things for other unrelated people.
この"Pay it forward"をテーマに、書籍『 ペイ・フォワード 可能の王国』が書かれ、同名の映画が制作された(2000年)。ここでは、1人から受けた善意を3人の人に送る運動を起こす少年の姿が描かれている。この本のアイディアは、作品を飛び出し、ペイ・イット・フォーワード財団として現実の世界のものとなっており、学校の生徒、親、教師に、このPay it forwardの考え方を広める事を目的に活動をしている。
以下、今回の記事です。
米国ワシントン州メリーズビルで、スターバックス店のドライブスルー窓口を利用した女性が店員のマイケル・スミスさんに代金を余分に渡したのは、12月 19日の午前8時ごろのことだった。彼女は「後ろの人の飲み物代を払っておくわ」と言い残すと、ハンドルを握り颯爽と去って行った。
次の客が運転席の窓ガラスを下ろして注文を告げると、スミスさんは「お客様の飲み物代金は、前のお客様がお支払いになりました」と説明した。すると、その客は「え、知らない人がおごってくれたの? じゃあ私も次の順番の人の分を払っておきますよ」と反応する。
これが350人以上にも及ぶ“おごり合いリレー”の始まりだった。事前に取り決めていたわけでもなく、当地でクリスマス・シーズンにそんな慣習が定着しているわけでもなく、あくまで自然発生的なことだった。だが、最初の“バトンタッチ”を皮切りに、延々と350人以上もの客が次の順番の客の飲み物代金を支払う・・・という連鎖が続いたのだった。
スミスさんは途中で交代の時間になったが、ドライブスルー窓口から離れることを拒んだ。最初にお金を余分に支払って去っていた女性は、この連鎖が長く続くことを願っていたに違いない、とスミスさんは確信していた。だから、あの女性が自分に託してくれた特別な信頼を裏切るわけにはいかないのだ、と。
午前8時に始まった“おごり合いリレー”は正午を回っても、まだ続いた。やがてリレーに“参加”した人の数は250人を超えた。それでもまだスミスさんは、リレーを途絶えさせてはならないという責任感を感じていた。「もう終わるんじゃないかと本当に心配でした」とスミスさんは言う。
やがてバトンタッチの場所はドライブスルー窓口から店内カウンターに移り、350人を少し超えたところで長いリレーが終わった。
同店のシフト・スーパーバイザーをしているセイラ・ニックスさんは、「ホリデー・シーズンには、次の順番の人にコーヒーを奢る人がちらほらいますが、数百人がそれを続けるなんて前代未聞です」という。「本当にびっくりしましたわ。人が人を気遣う心がわかったおかげで、クリスマスがもっと素敵なものになりそう」
リンゼイ・モルスタッドさんという28歳の女性は、当日の午後、仕事の帰りに娘をピックアップしてドライブスルーに立ち寄った。テキサス・ナンバーのスポーツカーに乗った男性が自分のバニラ・ラテと娘のホット・チョコレートの代金を支払ってくれたことを知った彼女は、驚きと嬉しさが混じった気分に浸ったという。
「素敵なことだと思います」モルスタッドさんは言う。「でも、私は自分の子供の飲み物も注文したのに、次の順番の人が頼んだ飲み物は1つだけ。(自分の奢った額が前の人の奢ってくれた額より小さくて)なんだかとても申し訳ない気がしました」
地元の高校で科学を教えているランディ・デイビスさんという49歳の男性は、店内でバトンタッチを受けた。前の客が支払ってくれたコーヒーを味わいながら、自分から知らない人にコーヒーを奢ったことはあるが、こんなに大勢の人たちがリレーを続けたなんて話は聞いたことがない、と感慨に耽った。
「凄い話ですよ」デイビスさんは言う。「こういう計らいをわかる人がまだたくさんいるんだとわかって、すがすがしい気分になりました」……
(参照:なんでも評点)
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