サトウハチロー

okapia2008-09-18

「うれしいひなまつり」「ちいさい秋みつけた」「かわいいかくれんぼ」「リンゴの唄」…などなど、サトウハチローの詩を使った歌は、どこか哀感の漂う素敵な世界ばかり。
 
この人はことばに遊ばれていない。
10の力をもって2とか3とか、ことばのただ一滴の雫を絞り出している。
 
文字を目にしただけで涙ぐんでしまうことがある、と前に書いたような気がして検索(参考:Apr.24, 2007)。
辞書や歳時記を引けば、綺麗な単語はたくさん見つかる。けれど、ことばの美しい置き方に巡り会った時の感動は、一言一単語では決して表現できない。ことばとことばがくっきりと繋がって、真新しい世界をざっくりと生み出す。嬉しさや驚きで、頭だけで考える美辞麗句じゃどうしようもなくなって、涙が心の奥からわき出て来るのかなと思う。
そんなきらきらがぎゅうぎゅう詰まった、サトウハチローの詩。大好きです。
 
サトウハチロー記念館が岩手の北上市にあるので、いつか行ってみたい。
 

サトウハチロー詩集 (ハルキ文庫)

サトウハチロー詩集 (ハルキ文庫)

自分が持っている詩集の中で今一番好きなのがこの本。ハルキ文庫から出ています。
 
「うれしいひなまつり」
http://www.mmjp.or.jp/MIYAJI/mts/nihonnnouta/ureshiihinamatsuri.html
二番・三番が良い。すこし白酒召されたか。
 
「ちいさい秋みつけた」
http://www.mmjp.or.jp/MIYAJI/mts/nihonnnouta/chiisaiaki.html
天才としか言いようがない。最初から最後まで大好き。
いつまでもエンドレスに読(詠)んでいたくなります。
「秋」はそこらに落ちているけど、「ちいさい秋」をみつけるのは至難。
めかくし鬼さんに引っ掻かれ、とかしたミルクを浴びて泣く。