okapia2008-09-29

井の中の蛙大海を知らず
という言葉を知って
安心しきったカエルさんは
うすい黄色の日の晩に
結局血の海になるくらいなら
結局血の海になるくらいなら
何度も何度も何度も何度も
めとめとと口癖のように呟いて
薬指の第二関節をつまんで
ぐりぐりぐりとまわすのです
ぐりぐりがぽきぽきに変わったころ
ようやく甘ったるく息をするのです
おや
牙の隙間から
何かがこぼれました
木苺です
だから言ったのに。
白が
野にも山にも
広がってゆきます