休日付都道府県民の日をやめよう

okapia2009-04-07

自治体が自由に制定した「都道府県民の日(以下、「県民の日」)」という記念日があり、過半数都道*1府県で施行されている。
たとえば秋田県では「8月29日」が「秋田県の記念日」である。(1871年8月29日、廃藩置県の際に初めて秋田県という名称が使われたことに由来)
 
上京して初めて知ったのだが、この県民の日に学校が休校になる自治体があるそうだ。

  • 千葉県「県民の日」 6月15日
  • 東京都「都民の日」10月 1日
  • 群馬県「県民の日」10月28日
  • 茨城県「県民の日」11月13日
  • 埼玉県「県民の日」11月14日
  • 山梨県「県民の日」11月20日

以上の都県では、多くの学校が休みになる。
自分が調べたところ「県」単位で休みとしているのは6つの都県のみで、他の府県ではセレモニー的な日にとどまっているようである。
 
なぜ休日付県民の日は関東に集中するのか。
直感的に推量できるとおり、「レジャー振興のため」というのが大きな理由だろう。郷土意識の高揚なんてのは建前で、少々冷たく言えば商業主義的な政策の一種と思われる。
休みになれば人々は遊びに行く。子どもが休みになれば家族総出で出かける家も多いだろうから、より大きな政策波及効果が狙える。また、たった1日のみの休暇であれば、ゴールデンウィークのように遠方や海外に散らばることは考えにくく、関東圏内の商業のみが集中的に潤う。
もう少しシステマティックに考えると、一年を俯瞰した上での混雑緩和の意図もありそうだ。土日が混雑するのは当たり前だが、休日付の県民の日が各自治体ばらばらに実施されれば集中的な混雑は和らぐ(年末年始やお盆は全国民一緒だから混み合う。)。
ただし、ディズニーランドのような超人気スポットはなんだかんだで大混雑するらしく、不幸にも知らずに11月14日にディズニーランドへ行った地方からの観光客は、埼玉県民の熱気に圧倒されてしまうらしい。埼玉県民は700万人もいるのだから、当たり前といえば当たり前なのだが…。
ちなみにディズニーランドでは「県民感謝週間」というキャンペーンも行っていて、一定期間特定の都県住民の入場料が安くなる。「感謝」を一日だけにとどめないことで、こちらも商売繁盛と混雑緩和が両立できるのだろう。
 
…以上を踏まえて、私見
自分は、休日付の自治体記念日を行うならば、もっと細分化したものにすべきだと思う(ex.○○市)。開校記念日や会社の記念日などさまざまな記念日に対しては、国が助成し振興すべき。その上で、年間のバランスをとるために設置意義の不明瞭な国民の祝日(「成人の日」*2や「海の日」*3)を廃止!
これで二増二減で、トータルに影響なし。
身近な単位の「記念日」であれば郷土意識の高揚にも寄与するだろうし、レジャー割引の対象も多様に打ち出せるから、新たな経済効果も見込めるのではないだろうか。
たとえば神奈川県には「県民の日」は無いが、横浜市の横浜港「開港記念日」(休日付)や川崎市の「川崎市民の日」(休日付)があり、愛知県岡崎市には「市制記念日」が存在する。このぐらいの単位の方が、いろいろとおもしろい催しができそうな気がする。
 
どうかなー。
 
もちろん、休日無しの普通の「県民の日」は自由に設置してよいと思うけど。
んー。教育庁地方自治体の所管だから、公立学校の開校記念日設置や休校の有無にまで国が介入すると面倒なことになるのかな?助成や振興でもダメ?
 
 
ところで、関東といえば一都六県なはずで、上記の休日付都県リストからは栃木県が漏れている。なぜだろう?
田舎に高速道路を造ったら地元が潤うどころかみんな都会に出て行ってしまって過疎が進んだ、というのと同じ理論?へたに休みを増やして県民にあまり地元から出て欲しくないとか?*4
 

*1:北海道に「道民の日」があるのかどうかは確認できなかった。

*2:「成人の日」:おとなになったことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝いはげます日。うーん。

*3:「海の日」:海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う日。うーん。

*4:栃木をバカにしているわけじゃない。何も考えずにぽんぽん休みにしている県よりも、むしろ賢いと思っている。