雨があがって
不安定な春の季節。しとしと静かな雨がまつげに刺さる。これはやさしい刺し方だ。
前にマイミクさんと「あがる」について話をしたことがありました。
「雨がやむ」と「雨があがる」。
「雪がやむ」と「雪があがる」。
「あがる」の方が、より主観的な気づきがあります。すごろくの「あがり」とも似ている、そっと開けた心地良い晴れ間。
あ、あがったんだ…。
なんだろう。「やむ」だとマイナスが終わるという雰囲気で、「あがる」だとゼロからプラスに静かに転じるような感じか。「あがる」の方が残心的で繊細。後を引く風流な余韻を持たせてくれます。
奥井亜紀さんの曲で「ああ、春だ。」という曲があります。
- アーティスト: 奥井亜紀
- 出版社/メーカー: SPACE SHOWER MUSIC
- 発売日: 2008/11/12
- メディア: CD
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「ああ、春だ。」
「さあ、夏だ。」
「ほら、秋だ。」
「もう、冬だ。」
感嘆詞(自分は全部入ると思う)に、ぐっと込められた嬉しさや切なさ。
「雨あがりの午後」にはお日様が舞っている。
柔らかな日差しを感じるのは、ことばに情感があるから。
ああ、春だ。ほんとに春だ。
写真は上野公園だー。
小さなガス灯と桜があれば、世の中はパキパキにまぶしいのだ。