雨があがって

okapia2009-04-25

不安定な春の季節。しとしと静かな雨がまつげに刺さる。これはやさしい刺し方だ。
 
前にマイミクさんと「あがる」について話をしたことがありました。
 
「雨がやむ」と「雨があがる」。
「雪がやむ」と「雪があがる」。
 
「あがる」の方が、より主観的な気づきがあります。すごろくの「あがり」とも似ている、そっと開けた心地良い晴れ間。
 
あ、あがったんだ…。
 
なんだろう。「やむ」だとマイナスが終わるという雰囲気で、「あがる」だとゼロからプラスに静かに転じるような感じか。「あがる」の方が残心的で繊細。後を引く風流な余韻を持たせてくれます。
 
 
奥井亜紀さんの曲で「ああ、春だ。」という曲があります。

うたの素 弐巻

うたの素 弐巻

「ああ、春だ。」
「さあ、夏だ。」
「ほら、秋だ。」
「もう、冬だ。」
感嘆詞(自分は全部入ると思う)に、ぐっと込められた嬉しさや切なさ。
 
 
「雨あがりの午後」にはお日様が舞っている。
柔らかな日差しを感じるのは、ことばに情感があるから。
 
ああ、春だ。ほんとに春だ。
 
写真は上野公園だー。
小さなガス灯と桜があれば、世の中はパキパキにまぶしいのだ。