『北岡明佳の錯視のページ』

scintillating grid illusion

北岡明佳の錯視のページ』
http://www.ritsumei.ac.jp/~akitaoka/
有名な錯視関連サイト。
「錯視」とは、いわゆる目の錯覚のこと。錯視には大きく分けて2種類あります。幾何学模様を並べることで実際の長さが異なって見えたり直線が歪んで見えたりするもの、色を組み合わせることで実際の色とは違った色に見えるもの。両方が組み合わされている錯視も多いです。
今回載せた画像は、「きらめき格子錯視(scintillating grid illusion)」と呼ばれるもの。
格子の交点にあるのは全部白丸(●)ですが、よく見ていると黒丸(○)がいくつも光って見えませんか?もちろん、実際は静止画。自分はこの綺麗な錯視が一番好きです!
サイト内の「錯視カタログ」から、他の錯視もたくさん見られます。
このサイトには、静止しているのにどうしても動いて見える錯視もたくさんあります。少しの時間なら楽しいんですが、長時間眺めていると自分はどうも酔ってしまいます…。トップページ上部にも、車酔いをしやすい方は動く錯視を長時間見つめないようにする旨の注意書きがあります。気分が悪くなっても何度も見返ししてしまうくらい不思議な錯視ばかり。サイトを訪問される方は夢中になり過ぎないようにしてください〜。
こうした錯視画像に触れると、自分が普段見ている世界に自信が無くなります。真っ直ぐだと思っているのに、曲がっている。2つが違う色だと思ったのに、同じ色。自分が自分に裏切られる。この世の中、誰かを信じなければ生きていられないのに、自分自身が信じられないなんて背中の辺りがむずむずします。確固不動の世界観なんて、危うい。
しかし逆に考えれば、錯視に惑わされる自分は、自分として自律しているという事実を示すことにつながるのかもしれません。自分で自分を構築しているから、自分の世界が存在する。あんまり話を飛躍させるとデカルトなんかの哲学的な議論になってしまうのかもしれませんが、錯視画を見るといつも自分の存在について純粋に考えさせられます。病気になったことで健康のありがたみが分かるとか、身近な誰かが亡くなることで命の大切さが分かるとか、そうした経験と似ているような気がします。存在が揺らぐことで、存在がはっきりする。そうした逆説や哲学的思考を、健康や命を失うことなく認識させてくれる錯視は、少し怖いけれど魔的な魅力が十分です。
 
北岡明佳の錯視のページ』
http://www.ritsumei.ac.jp/~akitaoka/