『GLORIOUS 松井秀喜』 松井秀喜

君はやっぱり、怪物です。
GLORIOUS 松井秀喜~10years of homerun memories~
松井秀喜が巨人時代に公式戦(ペナントレース)で打った全ホームランを、延々と収録したCD。10年間332本分、余すことなく詰まっています。音源はニッポン放送を主体としたラジオ中継で、アナウンサーの実況と観客の声もきちんと入っています。音声だけと侮る無かれ。ラジオ中継なので、映像が無くてもビジュアルに楽しめます。
大体1本につき7〜10秒くらいでしょうか。短いように感じるかもしれませんが、ピッチャー投げる→打つ→ボールがスタンドイン…までだとこのぐらい。聴いていると、1本1本、秒数以上に深みがあります。年度ごとに背景で流れる音楽がテンポ良く変わったり、うまい実況や大事な場面でのホームランは長めに収録されたりしています。年度の区切りで入る後付の妙なDJはあまり気に入らないけれど、実況本編には全く影響ありません。
とにかくとにかく、わくわくします!!
何故か?それは試合の中で、ホームランは観客を最も盛り上げる場面だから。言ってみれば、フルコースの中のメインディッシュ。もちろん、野球はホームランだけではないという考えは正しい。野球が好きな方なら、投手・好守・走塁・バント…etc、それぞれが複合的に絡み合って一つの試合を形作っているのが理解できるでしょう。
…しかし人間、たまには肉ばっかり思い切り食べたくなるときもあるわけです。『はじめ人間ゴンギャートルズ)』に出てくるマンガみたいな大きな肉(マンガだけど)、アレに無性に憧れるのに似ています。普通の野球の試合には、潮目があります。流れが変わったとか、勢いづいたとか。けれど、このCDは最初から最後までハイテンション。実況・観客、ボルテージが最高潮のまま、聴く人そっちのけで進んでいきます。巷に流行る優しいヒーリング音楽なんかの逆路線、電気ショックのように人間を癒してくれます。簡単に言えば、心を沈ませる暇を最後まで与えません。
このCDが発売された年、松井のヤンキースへの移籍が決定しました。単に10年の節目で製作しただけで移籍を見越して販売したわけではないようですが、結果的に日本での全ホームランを収録する形になりました。付属のブックレットには、「ホームランを打った試合の日にち・球場・投手・カウント・球種・本種(ex.2ラン)・打った方向・飛距離・備考(ex.伝説の10.8優勝を決めるホームラン)」といった、詳細な関連情報が全332本分記載されています。
巨人が好きな方はもちろん、巨人は嫌いでも松井秀喜という人間が好きな方、野球や松井はよく分からないけれどホームランはすごいなと思える方、スポーツの盛り上がった試合に感動する方…などなど、万人にお勧めできます。なかなかコアなCD!
 
GLORIOUS 松井秀喜~10years of homerun memories~
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