『メールdeギフト』

okapia2007-03-11

『メールdeギフト』
http://www.shirakataya.com/index.html
住所不要、相手のメールアドレスだけでプレゼントが送れるというサイト。メールで送るグリーティングカードなんてものはあったけれど、そこからもう一歩踏み込んだ内容です。
まず、プレゼントの贈り主がプレゼントを選び、希望の商品を購入します。次に、サイトを通じて相手のアドレスへギフトメールを送ります。こうして相手には贈り主からのメッセージと、プレゼントを受け取る権利がある旨の情報がメールで送信されます。メールの受取主(相手)は、プレゼントを受け取るかどうかを選択します。受け取りを希望した場合、住所・氏名・電話番号・希望配送日時等を指定し、後日そのプレゼントが届きます。贈り主には、受取主(相手)の個人情報は通知されません。受取を拒否した場合でも、贈り主に手数料が発生するのみで、メールの受取主(相手)には金銭負担は生じません。
…といった仕組み。
 
うーん。親しい相手からなら純粋に嬉しいかもしれないけれど、自分が誰かにこの方法でプレゼントを贈るかと考えると、なかなか気乗りがしません。なぜか。プレゼントが届く形式がネガティブ・オプションに似ているからでしょうか、心理的に抵抗があります。
「ネガティブ・オプション」とは、注文していない商品を勝手に相手方に送りつけて代金を請求する、悪徳商法の手口の一つ。
たしかに、メールdeギフトは好意によるプレゼントだし、何より代金請求が発生していません。だから、悪徳な売買契約を迫るものでは決してありません。
けれど、このビジネスから受ける印象としては、ネガティブ・オプションと似たようなものがあります。なぜなら、贈り主と受取主両者の関係は、住所交換をしていないような、まだ浅い仲であるという前提があるからです。親しい間柄であれば、お互いの住所は知っているはず。少なくとも、相手に住所を尋ねることが可能な信頼関係を持っているはずです。その信頼関係が築けていないのにプレゼントを送りつけるのは、相手を心理的に圧迫してしまうことに繋がりそうな気がします。人間、恩には報わなければいけないと考えるもの。相手の都合を顧みない行動では、好意の押し付けになってしまう危険性が高いように思います。普通のプレゼントを受け取るときでも、高価なものだと逆に気を遣ってしまったりします。行動の判断を間違ってしまえば、相手方に対して無理やりに交際を押し付ける結果に繋がりかねないのではないでしょうか。押し付けるものが金銭の絡む悪徳契約であるか、精神的な圧迫であるか、この違いがあるのみです。
住所をお互いに知っていても、目新しいサービスだから利用するという人もいるのかもしれませんが、このビジネスがそういった趣旨で始まったものでないのは明らかです。
あとは、プレゼントの受け取りを希望するためには、受取希望主自ら個人情報を打ち込まなければいけない部分が気になります。まぁ、結婚式の引き出物をカタログから選ぶときでも似たような作業なので、オトナな方々はこの辺はそれ程抵抗が無いのかもしれません。それでも、プレゼントの贈り主と親しくなかったり、運営会社がうさんくさかったりすると、引き出物のようにはうまくいかない気もします。
 
んん。自分が誰かに対してこのサービスを利用するかは置いておいて、もし誰かにプレゼントされるのなら喜んで受け取ります!!サプライズを狙ったアイディアは個人的に大好きですし、誰かが好意でしてくれた行動を喜ばないはずがありません。こういった感じの性格の人間には、大いに有効だと思います。
 
心配なのは、相手をよく選ばずに利用すると逆に信頼関係がダウンしないか、というところ。珍しいサービスほど勇んで利用したくなるものですが、相手がこちらを信用してくれていたり、お互いにこのサービスを知っていたりなど、利用には多少の条件を踏まえることが必要でしょう。
おもしろい試みとして、どう発展していくのか注目しています。
(画像source:http://natuyume.velvet.jp/index.html
 
『メールdeギフト』
http://www.shirakataya.com/index.html