小林製薬「あら熱と〜る」とコンピテンシー

okapia2007-06-05

「あら熱と〜る」は、作った弁当や哺乳瓶の粗熱を取ってくれるグッズ。3月発売なので、もう皆さんご存知かもしれません。
http://www.kobayashi.co.jp/seihin/ant/index.html
右の画像は同じ小林製薬の「熱さまシート」。ちょっと代役…どこの国のか分かりません。中国?
「あら熱と〜る」は、基本はアイスノンみたいな氷枕と同じ作り。ただ、冷やしても硬くならないし、折りたたんでどんな形状の器でも密着させやすいところに工夫があるようです。
店頭ではまだ見ていないけれど、便利だろうなぁ…。自分は、冷凍したいご飯の粗熱を早くとりたい!!
いま欲しい物の一つです。
 
小林製薬の、小回りが利いた商品開発姿勢は勉強になりますね。熱さまシート、アイボンブルーレット、のどぬーるスプレー…。他の会社と比べて、経営に瞬発力がある感じ。万人向けではないにしろ、どこかで誰かが欲しがっている!という確信が商品ラインナップに感じられます。どんな業界でも商売である限り、市場のニーズ把握は絶対に手を抜けないものだろうし。
大正8年からある古い会社とは思えない。まだ小林製薬を詳しくは調べていないけれど、どんな組織化がされているのか興味があるなぁ。
とりあえずリクナビによれば(参照→リクナビ2008

商品のアイデアには、年間二万数千件にものぼる全社員からの新製品提案も積極的に活用。
「あったらいいなをカタチにする」をブランドスローガンに、次なるヒット商品をねらってさまざまな発想が寄せられている。これは「創造と革新」という企業ポリシー、「自律型社員を育成する」という人材育成の考え方の表われ。
ユニークな発想を命に、「フラット型組織」「さん付呼称」「コンピテンシー評価制度」など個性を活かした組織改革も積極的に行う。また、平成13年4月より管理職を対象として「職務給」を導入。

社員から年間2万件!それはおもしろい商品も出てきますね。
 
あまり聞きなれないコンピテンシーとは、「変化する状況に柔軟に適応して業績を上げることのできる個人の行動特性」…でしょうか。いろんなところで調べてもまだ明確に定義できませんが、細分化された基礎的能力があっても状況に応じてパワーを発揮できないのであれば業績には決して繋がらない、といった考えが出発点のようです。70+80+90=100になる場合も、50+60+70=500になる場合もあるということ。一つ一つの細かい能力を見るのではなく、器用にできる・うまくやれる人を積極的に評価する。受身のまま仕事を無難にこなそうとしている人間は欲しくないし、「頑張ってるんだから」もあまり問題にはしない。資格を持っているだけで、現実の仕事に反映できない人間も評価しない。この仕事は別分野のアレを活かせばもっと業績が上がる!など、仕事分野を横断した積極的な思考が必要かも。なぜその仕事をやっていて、何のためにあの仕事もやる必要があるのか、理解しながら具体的に行動できる想像(創造?)能力。あとは、万全の状況でないと成果が上げられないような人間もいらなくて、劣勢なら劣勢なりに自分のパワーを引き出して対応できる骨太な人間が欲しい…でいいのかな。
 
Wikipedia(参照→Wikipedia コンピテンシー Jun. 5, 2007 15:30)によれば

この手法は、特に企業などの人事考課に活用され、職種別に高い業績を上げている従業員の行動特性を分析し、その行動特性を評価基準とし従業員を評価することで、従業員全体の質の向上を図ることを目的としている。従来の日本型の人材評価は、「協調性」「積極性」「規律性」「責任性」などから構成され、従業員の潜在的・顕在的能力を中心に評価していたが、能力が高いことが成果と繋がるわけではないので評価と会社への貢献度がリンクしないことがあった。これに対し、コンピテンシーでは、「親密性」「傾聴力」「ムードメーカー」「計数処理能力」「論理思考」などから構成し、具体的な行動で評価するため、評価と会社への貢献度がリンクし易くなっている。 また、このコンピテンシーを人材採用の場にも活用し、「コンピテンシー採用」というものもある。
元々は、1970年代からハーバード大学の心理学者マクレランド教授がアメリ国務省の依頼を受け、学歴や知能レベルが同等の外交官に業績の差が出るのはなぜかを研究したものである。その後、1990年代にアメリカにおいて人材活用の場に取り入れられたものである。日本においては、近年の能力成果主義の導入とともに、取り入れられるようになってきたもので、比較的に歴史が浅いものである。

コンピテンシー評価は社員にとってかなりシビアな気もしますが、なかなか現実的で生産的な評価制度ですね。企業だけでなく、他の組織でも応用できそう。スポーツのチーム競技とも似ているかも。
まだ曖昧で完全には掴めないけど…コンピテンシーに詳しい方、ぜひ自分に教えてください。
 
(画像source:http://www.flickr.com/photos/99136715@N00/1815066