Wikipedia電子辞書

okapia2007-09-16

ideamiより。Wikipediaウィキペディア)のデータが自動で入ってきてオフラインでも使える電子辞書があればいいのに…というアイディア。
http://ideami.jp/384
 
最初は、じゃあネットのWikipediaで検索しちゃった方が早いのに…とは思ったものの、自由にネットに繋げない時もありますよね。情報検索をWikipediaに頼る機会も増えてきたので、直感的には、なかなか良いアイディアだと感じました。
問題となるであろう点を、今思いついたものだけ書きます。
ネットでいつでも自由に改ざんできるからこそ、Wikipedia情報の正確性は担保されてきた。裏返せば、常時ネットに繋がっていなければ情報が改訂されるチャンスが全く無く、間違った情報が電子辞書にそのまま残ってしまう可能性がある。では常時オンラインにすればいい、と結論付けてしまえば、それは結果的に普通のWikipediaと変わらないだろう。
以下は、個人的なWikipedia論が混じります。
権威ある出版社が自らつくった用語の定義を上意下達的に利用者に伝える旧来的な辞書社会を変えるために、Wikipediaが生まれてきたのだと思う。言葉は生き物だ。型にはまったものを決められた形で一般人に与えるような手法ではなく、動物図鑑のように、実世界にある言葉の実態を、辞書という形で反映しようとした社会的チャレンジこそがWikipediaではないだろうか。「正しさ」は、辞書の作成者が決めるのではなく、言葉自身、そして言葉と共に生きる世の中の人々が形作る。Wikipediaの思想をそのように捉えれば、普通の電子辞書のように、こちらからWikipediaへの情報フィードバックが出来なくなった時点で、WikipediaWikipediaとしての体をなさない。
これらの問題の解決をしなければ、Wikipediaの電子辞書は難しいのかもしれない。
 
…にしても、Web2.0の世界は、デモクラシーとそっくり。Web2.0の定義を、確認のため載せます。

「ネット上の不特定多数の人々(や企業)を、受動的なサービス享受者ではなく能動的な表現者と認めて積極的に巻き込んでいくための技術やサービス開発姿勢」(梅田望夫ウェブ進化論』p.120)

コンピュータの技術的な話はまだまだついていけないけれど、ウェブの世界観は相変わらず勉強になります。
政治とウェブとの関係は、まだまだ興味が尽きません。ウェブはデモクラシーを補完する切り札になるんじゃないかと、今のところは考えています。事実、それが実現しつつあります。
…ただ、まだまだドラスティックな展開ではありません。もっともっと大きな波が来ると、個人的には見込んでいます。
波が起きないなら、いつか自分が起こしてみたい。…とだけ、ごにょごにょと呟いておきます。
 
(画像:http://www.flickr.com/photos/45909472@N00/62763329