新製品が利用できるモニターホテル(ideami)

okapia2008-06-16

新製品ばかりを揃えたホテルはいかが?というアイディア。
http://ideami.jp/371
利用者側は新製品を試用できる。提供者側は消費者の意見をフィードバックしてもらえる。ただし、これはあくまでホテルサービスの一環であるから、故障の発生しうる家電製品は不向きかもね、というもの。
 
悪くないアイディアだと思います。
100%の形にしないと商品化できない!なんてのは時代遅れ。
味や使い心地などの客観的かつ直感的な印象は、最前線で開発してきた人ほど新鮮みが薄れて逆に実感しにくくなってしまう。怪我をする危険があるだとか安全面での見切り発車は絶対に避けるべきだとは思うけれど、ある程度出来上がった段階で試してもらってから修正を加えていく…こっちの方が完成度は高くなるんじゃないかな。「完成品」として社内や販売ルートの足場をがっちり固めてから売り出すと小回りも利かなくなって、本当に重視すべき消費者の声なんてなかなか反映されにくくなるだろうし。
こうしたモニター調査を一気に行える場は企業にとっても得、消費者にとっても良い刺激。
 
高級ホテルだと、「ホテル内の備品は全て販売できます!」なんて所がいくつもありますね。このベッドが欲しいだとか、あのスタンドが…とか。その感覚で、新製品づくし。
老舗のホテルだとブランドイメージがあって参画しにくいだろうけれど、目新しい馬力のあるホテルとしてニューオープンするなら、悪くない。
 
商品は生活の中で使用されるから商品の持つ価値がはっきりするのであって、商品そのものだけに着目しても魅力の本質は把握できない。ホテルなら生活の中で製品が試せるし、その新製品を用いて従前のサービスの殻をやぶったサービスをホテル側は……
…と、ここまで書いて、逆にこのアイディアの欠点が見えてきたような…。
 
商品は「生活」の中で体感するから「試用」できるのであって、その生活とは「日常生活」でなければならない。新製品のモニターを主眼に置くのであれば、その新製品以外は既存の製品に囲まれた生活である必要がある。新製品は、将来「日常」に飛び込む運命だからこそ、開発が難しい。
素敵なベッドだって、素敵な客室の中に位置するからこそ価値が増す。手の込んだ料理も食器一つでイメージが変わるのと同じ。この場丸ごと買おうとするならまだしも、個別の製品を試してバラで購入しても、価値がそのままである保証は全くない。
 
んー…眠いからか、結局いいのか悪いのか整理がつかない。
ただ、「ホテル」や「新製品に囲まれた場」でモニターすることは、殺風景な研究室で新製品の使い勝手を調査することと同じぐらいに足場が脆い作業なのかも、とは思いました。
非日常(新製品)を日常(家)にとけ込ませるのが最終目標なのに、非日常(新製品)を非日常(新製品に囲まれたホテル)で試してみるというのは一種の足踏みでしかない?うーん。
 
企業側にメリットがあやしくても、自分は一回泊まってみたいというのは確かかな。
一日中、「これどう使うんだ!?」の繰り返し(笑)