死傷

okapia2008-07-22

「死傷」という表現が好きじゃない。
「死者1名」と「死者1,000名」の命の重さを比べたくはないけれど、『死傷者1,000名』という表現は両方のニュアンスを含んでしまう。
ニュースで「死傷」を目にする度に、メディアにつくづく騙されている気がする。
 
たしかに、事件(殺人、災害…etc)が起きた際には精確な情報がつかみにくい場合もある。
けれど、詳細な状況が仮に分からないのであれば、負傷者を死亡者と混同させるような表現を使用するのはおかしいと思う。
高尚な宗教家やよっぽど厭世的になっている人間以外、一般的な市民にとって「負傷」と「死亡」の差は著しく大きいものだ。法的にも、生死の違いは人権の有無をも左右する程の大問題である。
ならば、確実に死亡と認定・確定できる場合だけ「死亡」の表現を使って、死亡の疑いのある人や他の負傷者については「負傷」にとどめるべきじゃないか。
 
英語にも"casualties"(死傷者)って表現があったけれども、文脈としてぼやかすべきでないところで多用されるのは妙に扇動的で違和感がある。
 
 
あと、「先ほど墜落した旅客機に日本人は搭乗していなかったということです」みたいなカラカラに乾いた言葉に安堵するnationalな自分がとてもとても嫌い。