雨月と王子さま

okapia2008-07-24

「雨月」(うげつ)という言葉があります。
雨のために見えない月を想いながら心の月を愛でること、また、雨雲の隙間から木漏れ日のように感じられる月の光を優しく見守ること、そうした奥深い情緒を表現した「雨月」。
似たようなもので、雲で全く見えない月を「無月」(むげつ)と言ったりします。
 
月が無いからお月見できないなんて無粋。
「月いづく鐘は沈める海の底」

 元禄2年8月15日。『奥の細道』旅中、敦賀金ヶ崎で。雨の十五夜の晩。天屋五郎右衛門の案内で金前寺<こんぜんじ>に参詣して詠んだ句。
 ところでこの鐘ヶ崎城は、新田義貞足利尊氏と争った場所。建武4年(1337年)3月6日、新田軍はここにろう城するも武運つたなく敗戦し、その息新田義顕尊良親王らがここで自害して果てた。その折に、義貞は軍鐘をこの浜に沈めたというのである。
 後にこの鐘を引き上げようとしたが、さかさまに沈んで海底の砂に埋まっていて引き上げることができなかったと言い伝えられている。

満月だって新月だって、月は「ある」。雨月や無月のときこそお月見の本懐成就!
 
心で見なくちゃよく見えない。大切なことは目には見えないんだよ。

小さな王子さま

小さな王子さま

いろいろ訳があるけれど、自分が好きなのは山崎庸一郎翻訳。
類書の中からこの一冊を選ぶまでに異様に時間がかかった覚えがあります…。
 
星の王子さまから派生して、こちらも紹介。
TBS 新訳星の王子さま
http://www.tbs.co.jp/lepetitprince/index-j.html
翻訳一つ一つの小さな差異がこれ程騒がれる作品もめずらしい。
 
わからないから見えない。
うん。
見えないからわからない。
こっちは成り立たないような気がする。
 
気はしてるんだけど。