『その名にちなんで(The Namesake)』

原作本(文庫)。

その名にちなんで (新潮文庫)

その名にちなんで (新潮文庫)

 
映画。ミーラー・ナーイル(Mira Nair)監督。

 
サントラ。

映画「その名にちなんで」オリジナル・サウンドトラック

映画「その名にちなんで」オリジナル・サウンドトラック

  • アーティスト: サントラ,スシーラ・ラーマン,ラカーン・ダス,ジ・エレメンツ&ミキル・マイヤーズ,カーティク・ダス,フェデリコ・オーベル,パーサー・チャタージー,ミタル・バウミク,ニティン・ソーニー feat.マット・ヘイルズ,ギーター・ダット,ステイト・オブ・ベンガル
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2007/11/21
  • メディア: CD
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ラヒリを初めて手に取ったのは『停電の夜に』の文庫本(cf:Feb.15, 2007)。

停電の夜に (新潮文庫)

停電の夜に (新潮文庫)

ぼんやりした不思議な表紙と、作者名の耳慣れない響きに惹かれたように記憶しています。今からして思えば、ジュンパ・ラヒリという作家、小川高義という翻訳家、移民文学というジャンル、それぞれに一気に巡り合わせてくれた幸運に感謝しています。
 
『停電の夜に』は短編集でしたが、『その名にちなんで』は、一冊を貫くラヒリの初長編。主人公、語り手や読者でさえも気づかないうちに、散らばっていたピースが次第にカチカチと完成していくような美しい作品。疎外感や哀感も常に感じるけれど、話全体をあたたかな雰囲気がほっこりと包み込んでいる気がする。
 
映画も、何か突拍子もないことが起こるわけではない。あくまで丹念に、丁寧に親子の人生をめくっていく。インドらしい色とりどりの衣装・装飾品が綺麗なので、映画もぜひ!
どちらかといえば、原作を読んでから映画の方が楽しめそうに思います。映画は、限られた上映時間の中で山場(見せ場?)をつくるためか、ストーリー構成を大きく組み替えているので…。でもどっちもいいよ!
 
「われわれは、みなゴーゴリの外套から出た」
 
奇跡は、奇跡にさえ見えないくらいに奇跡なのかもしれない。