かくかくかく?

okapia2008-12-23

眠りに落ちる直前、<かく(動詞)>って不思議かもと考える。
核とか閣とか、名詞として使われるものはとりあえず除く。この記事で焦点を当てるのは、主に動詞として用いられている、<かく>。
 
まず、<かく>で思いつくものを列挙してみる。
書く、描く、掻く、画く、欠く…こんなところか。
 
<書く>は、紙に文字を書く、とかの<かく>。
<描く>は、キャンバスに絵を描く、とかの<かく>。えがく。
<掻く>は、かゆいところを掻く、玉子を掻き混ぜる、とかの<かく>。
<画く>は、描くと同じ意味で使われる<かく>。
<欠く>は、決め手を欠く、皿が欠ける、とかの<かく>。
 
以上をよく観察すると、はじめの四つ<書く、描く、掻く、画く>は、どこか似ているような気がする。ざっくりとまとめれば、自ら意識的に何かを形に表す、というような感じ。
 
それらに比べれば、<欠く>だけが浮いている。
最初の四つにはプラス的な、何かを創り上げるイメージがあるのに対して、<欠く>はマイナスイメージ。<何かがそこから無くなる>ということ。
<書く、描く、掻く、画く>と<欠く>。まるで真逆の意味なのに、同じ<かく>なのは何故か。
 
これはおかしい!と思って、しばらく眠れなくなる。
…まぁ、そうこうしているうちに寝てしまうのだから、たぶん大した悩みでもないのだけれど。
 
以下、起きてから考えた、自分なりの答え。
 
そういえば<掻く>は、何かを引っ掻くという意味。引っ掻くということは、跡がつく。跡がつけば、浮き上がる部分がある。彫刻刀で削った木版に、くっきりと絵が表れるように。
同じように<欠く>は、欠けて無くなってしまうことで逆に消え去った存在を引き立たせる役割を持つのではないか。落とした茶碗の欠けた部分に自然と目がいったり、怪我で欠けたエースの存在を試合中に強く意識してしまうように。
 
<無で有を表す>というように考えれば、五つの<かく>は同じ根っこを辿れるんじゃないか。
 
ということで、まとめ。
 
<かく>には、有と無を用いて何かの存在を浮き立たせたり特に強化させたりする力がある。
 
…まとまったのか分からないけれど、とりあえず今晩は個人的に安心して寝られそうだ。