神話と信仰の山、戸隠山に登る
結構前の話になってしまうが、大学時代の友人と男三人で長野県の戸隠山(1904m 日本二百名山)に登ってきた。
長野駅で落ち合って、信州蕎麦を頂いたあと善光寺を見物。蕎麦粉入りクレープを初めて食べた。夕方に温泉に入った後、夜はそば焼酎のそば湯割を瓶数本空け、二次会そこそこに就寝。翌日に山へ登ることになるのだけれど、登頂目標は前日に決まる。駅前の本屋で登山ガイドブックを物色。予想通り行き当たりばったりで、すてきな旅行だ。
自分も自分で、詳しい旅程などは尋ねない。その方がおもしろいから。
にしても、山登りの装備が無印良品の紙袋一枚(友人)ってのは、なめてると思うよ(゜∀゜)
「戸隠(とがくし)」の名は、「天照大御神(あまてらすおおみかみ)が、高天ヶ原の天の岩戸に隠れたとき、天手力雄命(たじからをのみこと)が、その岩戸をここまで投げ飛ばし、世に光を取り戻した。」との伝説による。
ということで、霊験あらたかな戸隠山。山の入り口までつづら折りの坂道を車で行き、神社の参道から徒歩で立ち入る。
挑戦四座目の初心者にはきつめの岩山だった。さすが修験者(山伏)の山。
友人の一人が山に詳しい。そうでなければ軽々しくは登れない。道中の一歩一歩、身が浄まる思いがした。
蟻の搭渡り/蟻の戸渡り(ありのとわたり)
頂上付近、肩幅と同じぐらいの狭い幅の道が垂直に切り立つ荒々しいナイフリッジが20m程続く。足元がふらつけば、掛け値無く数十メートル下へと真っ逆さま。蟻ぐらいしか渡れない細さ、という意味で上記の名称がついている。家に帰ってから調べてみると、「ここから落ちたら転落でもなく滑落でもなく、墜落だ」という紹介文章を見つけてほとほと納得。
渡っている時はわくわくして楽しかったが、渡りきった後にくるり道を振り返るとなかなか恐ろしくなった。
それでも本当におもしろかった!
他、水がじゃばじゃば流れる滝の横を鎖につかまって垂直に降りたり、壁のような岩肌を慎重に慎重に横切ったりと、今思えば半分二日酔いの状態で乗り込んではいけないような激しさ。ガス(霧)がかなり出ている中、真っ暗になる前になんとか下り終え、帰路につく。
下山後ぱーっと温泉と蕎麦の予定が、自分の帰りのバスの都合で急ぎの味噌ラーメンに変更になってしまった。でも、こちらもおいしかった!
友人たちに最敬礼で見送ってもらい、バスに乗車。これで二日間終了!