ルイス・バラガン

昨日の桂離宮の記事(cf:Jan.2, 2009)にも少しだけ書いたルイス・バラガンのことを。
 
ルイス・バラガン(Luis Barragan Morfin)は、白を基調とした幾何学的なモダニズム建築とメキシコらしいカラフルな色合いの調和をはかった美しいデザインで有名な、20世紀の建築家。
水や光、そして影を巧みに用いた明媚で奥深い世界に、一目見ただけで惹かれました。特にバラガン邸やヒラルディ邸には、一度自分も吸い込まれてみたい。
 
写真集だと

カーサ・バラガン

カーサ・バラガン

こちらが詳しい。オールカラーでとっても綺麗!
 
彼の作品を見ていると、やはり人間の物の見方に与える気候風土の影響は大きいのかなと思います。あの大胆な色づかいはメキシコの太陽の下でしか活きないわけで、綺麗だから綺麗だからとたとえバラガン邸をそっくりそのまま日本へ運んできたとしても、勇壮かつ繊細なバラガン建築はおそらく表現しきれない。(四季の個性が光る湿潤な日本が生み出した銀閣桂離宮はしっとりと幽玄で、言うまでもなく素敵だけれど。)
自分がカリフォルニアにホームスティした際、最初に驚いたのは太陽の光。ありありと映える空の色、壁の色、車、道路、木々の緑…色色色!いのち満ち溢れんばかりの地中海性気候の太陽が、西海岸にさんさんと降り注いでいたのでした。世界に分配されている太陽はまったく不平等だ!と心から感じたのをよく覚えています(笑)
そして、自分はまだ行ったことがないけれど南米、メキシコでも太陽は間違いなく元気はつらつで、バラガンのインスピレーションを刺激しまくるには十分な光の束を惜しげもなく道々に振りまいていたはず。光と色の宝石を世に創り続けたルイス・バラガンは、力強きメキシコの太陽が生み出した光の化身だったのかもしれません。