『運命じゃない人』
運命、偶然、必然、当然。
- 出版社/メーカー: エイベックス・ピクチャーズ
- 発売日: 2006/01/27
- メディア: DVD
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『街』のようだ!というのが一番最初の感想。
SEGA THE BEST 街 ~運命の交差点~ 特別篇 - PSP
- 出版社/メーカー: セガ
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PS one Books 街~運命の交差点~ サウンドノベル・エボリューション3
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とか言って、『街』みたいで楽しいよ!という噂を聞いて、期待しながら観たわけなんだけど。
噂に違わず、楽しい映画ー。
ある一晩の物語を、複数の登場人物の視点から眺める。いわゆる<神の視点>での群像劇鑑賞。
各々は各々の世界を生きている。生ききっている。だから誰がどう生きているかなんて知らない。知れるはずがない。だからこそ世界はおもしろい!そんな風に感じられるお話。
きっと、自分の何気ない日常も誰かの重層的な<生>によって影響されてるんだ!と思えるはず。
『街』にも『運命じゃない人』にも共通するような例示をすると…
たとえば、まったく見ず知らずのA君とBさんという人物がいたとする。
朝8:40。社会人二年目のA君が会社に遅刻しそうになりながら駅へと急いでいる途中、道に10円落としてしまった。
あぁお金拾わなきゃ!でも急がなきゃ!!という事態になった際、
- 転がる10円を拾うために足を止める。
- 小銭なんか構わず駅に急ぐ。
という二つの選択肢が発生することになる。A君はどちらかを選び、自分の人生を生きる。
一方、友人の結婚式に出席するためにたまたま地方から上京してきていたBさんは、東京土産でも買って実家に帰ろうと朝8:45の駅前を歩いていた。のどが渇いたBさんは、朝食も兼ねて自販機で缶ジュースを買った。あ、そうだった…最近ネイルアートに凝ってて、爪伸ばしっぱだったっけ…これじゃプルタブ開けられないよ…。何か<てこ>になるもの…小銭はさっき使っちゃったし、ヘアピンだと無理だし…
もしもA君が"2"の選択肢「小銭なんか構わず駅に急ぐ。」を選んでいたら…
↓
ラッキー!10円発見☆我ながら運がいい!プシュっ。くぁ〜(゜∀゜)
↓
さて、東京ばな奈でも買って早めに帰ろう!ひよこもいいかなぁ!
↓
Bさんはルンルンと<こまち>に乗り込み、駅弁を満喫しながら帰りましたとさ。めでたしめでたし。
もしもA君が"1"の選択肢「転がる10円を拾うために足を止める。」を選んでいたら…
↓
何もないや…。仕方ない、そーっと自分の爪で……ぎゃぁぁあぁ!!!!!(゜ロ゜)
↓
血まみれの指を押さえ、Bさんは泣きながら近くの病院へと駆け込む!
↓
なんとそこで運命の出会いが!
↓
君はなんて綺麗な指をしてるんだ。
↓
とんとん拍子で、Bさんは大病院の院長夫人となりましたとさ。めでたしめでたし。
…のような感じで、誰かの行動や判断が、自分自身の人生だけでなく、面識のない他の誰かの人生をも知らず知らずのうちに動かしている可能性があるよね!ってところが上記二作品の魅力。
多少なりともおもしろさが伝わったでしょうか…。
念のため付け加えると、今の例は作品中には出てきません。単なる例に過ぎないのであしからず。
誰かのおかげで今の幸福が、誰かのせいで今の不幸が存在する。
その<誰か>は友人、家族、政治家、はたまたまったく関係の無さそうな<誰か>かもしれない。目を見たこともない相手に運命を握られる歯がゆさ。計り知れないダイナミズムを知らずに生きていられるだけ、幸せなのかしら。