建国記念の日

okapia2009-02-11

今日は建国記念の日皇紀神武天皇即位紀元)2669年です。
元号だと平成21年。西暦だと2009年。ややこしいものの、歴史の奥深さを感じます。
 
「建国をしのび、国を愛する心を養う」日
かつ
「建国されたという事象そのものを記念する」日
であって、<建国記念日>とすると後者の意味を落としてしまう。
よって、双方の定義を包含できる<建国記念の日>が正しい。
みなさん正しく使っていますか?
 

http://www.benricho.org/nenrei/kouki/
便利ー。(?)
 
神武天皇そのもの歴史学的位置づけはさておき、

1938年(昭和13年)から挙行された紀元2600年記念事業に伴い、末永雅雄の指揮による橿原神宮外苑の発掘調査が行われ、その地下から縄文時代後期〜晩期の大集落跡と橿の巨木が立ち木のまま十六平方メートルにも根を広げて埋まっていたのを発見した。鹿沼景揚(東京学芸大学名誉教授)が記したところによると、これを全部アメリカのミシガン大学に持ち込み、炭素14による年代測定をすると、当時から2600年前のものであり、その前後の誤差は±200 年ということであった。このことから記紀の神武伝承にはなんらかの史実の反映があるとする説もある。

とのことで、日本の何らかの<はじまり>が二千数百年前に存在しそうです。
 
個人的には天皇家とともに歩んだ日本の伝統を大事にしたいと思っています。
 
が、もし<真実>が異なっていたとしても、これだけ脈々と受け継がれてきた<昔話>や歴史書がなぜ天皇家主体なのかの点だけでも純粋に興味があります。古事記日本書紀で悠々と語られる神話の正体は、もしかすると天皇家と他の勢力との武力紛争であったのか?とかね。火のない所に煙は立たないわけで。
でも自分は数千年のロマンを信じます。
 
以上、それらを幾分考慮に入れつつも、皇紀2669年の慶賀を心よりお祝い申し上げたいと存じます。
 
ちなみに、アメリカ中央情報局(CIA)のサイトでは、日本が国として独立したのは"660 B.C. (traditional founding by Emperor JIMMU)"であると明記されています。
http://s01.megalodon.jp/2009-0222-1512-59/https://www.cia.gov/library/publications/the-world-factbook/geos/ja.html
 
こちらもおもしろい話。

安田生命保険(今の明治安田生命保険)は1970年代に個人情報管理のシステムを構築することになった。その際システムの担当者は、20数年後に生じるであろう2000年問題を予測していた。そこで、年号の下2桁にグレゴリオ暦元号ではなく神武暦(グレゴリオ暦−40年)を使用した。そのことにより、安田生命保険は2000年問題を40年先送りした。

 
数年前のものですが、興味深い記事があるので紹介。

http://www.k4.dion.ne.jp/~bridging/da_2003gantan.html

……「皇紀」なるものは、欧米のグレゴリウス暦を輸入した時、それに併せて、初めて作り出されたモノでしかない。西洋伝来のグレゴリウス暦のロジックを用いて、現代から遡及して年月を再解釈したものなのである。
 日本の紀年/暦は、まず中国の戦国時代に整備された太陰太陽暦(旧暦)が中国の元号と共に輸入され、その後、中国の元号を模倣して、独自の元号を制定した。グレゴリウス暦太陽暦)の採用はA.D.1873年明治6年)まで下り、この時、2533年から皇紀が突然始まったのである。
 このグレゴリウス暦にまみれた「皇紀」を以て、「日本古来の」とか「伝統的な」とか言われると、違和感を禁じ得ない。「皇紀」の歴史は、たかだか130年なのだ。

 グレゴリウス暦の採用にあたり、カトリシズムの心性を払拭するために「皇紀」が作成されただろう点を思えば、暦と紀年がイデオロギ上では断絶していると見なして構わないのかも知れないが、グレゴリウス暦とセットにするために作成された紀年に対して、伝統や独自性を感じるのは、発想の飛躍と言う他無い。

 皇室への敬意、長い伝統ということであれば、「平成15年」と元号を使うべきだろう。普及が見られた大宝年号(701年-)から数えても1300 年以上。実に皇紀の10倍の伝統を持っている。中国出自の紀年であって、「日本独自」では無い点が皇室を敬慕する人間には不満なのかも知れないが、元号太陰太陽暦(旧暦)からグレゴリウス暦へのシフトを既に経験している点を踏まえて欲しい。今後、重大なパラダイムの転換が発生し、グレゴリウス暦からの改暦が為されたとしても、もっとも自然に現行暦に受容されるのではないだろうか。……

ふむ。たかだか130年の歴史の<皇紀>では皇室への敬意を適切に表現できない。天皇家由来の伝統を尊びたいなら元号を使うべきという話。
そうだなぁと純粋に思った。まぁ必然的に数十年で改元される元号を逐一覚えるのは日本史の勉強で辛い部分の一つだから、皇紀○○○○年(もしくは西暦)の方が時間感覚をつかみやすいのは確か。世界史を考慮に入れずに日本史だけを勉強するなら、西暦よりも紀元前・紀元後が入らない皇紀の方が使い勝手が良いのかも?干支(【十干】:甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸 【十二支】:子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥)で覚えられればカッコ良いんだけどね。
 
旧約聖書における天地創造から数えると、本年は7517年目(世界創造紀元)。
歴史はつづくよどこまでも。