密淋。蜜淋。美淋。味醂。

okapia2007-03-13

 
全部、みりん。
どれも妙に情緒的で、エキゾティックな雰囲気。昔はお酒として飲んでいたらしい。みりん単体で勝負することは、近頃はあまり無いかもしれない。
地味だけれど、あるとないとじゃ大違い!艶出し、コク出し、煮崩れ防止。料理が成功するためには、カギになることの多い調味料。みりんみたいな生き方、てのもいいなと思います。
 
最近、「個人的成功」なんてのは、生温いし幼稚だと感じるようになってきました。社会の中での自分、世界の中での自分の存在を想像すると、何を成すかのイメージが変わってきます。滅私奉公の感覚…というか。
「滅私奉公」といえば「お国のために」なスローガンに聞こえるけれど、あくまで公は社会一般。税金上げるから我慢しろ、な話でもない。国家機関や会社ではなく、奉仕する対象は国民であり社会であり公衆全体です。スケールは桁違いに大きい。
企業の社会的責任(CSR)が盛んに謳われていますが、まだまだ経済的利益的な側面ばかりが見えてしまって、どうも信用しきれない。結果的に企業利益につながるような「社会貢献」、ばかり。「個人的成功」の後の「社会貢献」でしかない。
自分がもやもやと考えているのは、企業がどう責任を持つかではなく、個人がどう責任を持つか。
 
以下は、CSRの文脈で度々取り上げられている、全米プロフェッショナル・エンジニア協会倫理規約からの引用。

【前文】
 技術業は、重要で学術的な専門職業である。この専門職業の一員として、技術者は、正直および誠実の最高の基準を示すものと期待されている。技術業は、すべての人にとって、生活の質に直接的かつ重大な影響力がある。したがって、技術者が提供するサービスは、正直、不偏性、公平性、および衡平が必要であり、公衆の健康、安全および福利の保護に捧げられなければならない。技術者は、最高の倫理的行動原理の遵守を要求する専門職業の行動基準のもとに、それを遂行しなければならない。

1.基本的規範
技術者が自らの専門職業義務の遂行において、しなければならないことは以下の通りである。
(1)公衆の安全、健康、および福利を最優先にする。
(2)自らの有能の領域においてのみ、サービスを遂行する。
(3)客観的かつ真実に即した方法においてのみ、公的な言明を行う。
(4)それぞれの雇用者または依頼人のために、誠実な代理人または受託者として行為する。
(5)欺瞞的行為を回避する。
(6)自らが名誉を重んじ、責任を持ち、倫理的に、そして適法に身を処することにより、専門職業の名誉、名声、および有用性を高めるように行動する。

 
もちろん、引用文は専門職の倫理規定だから、企業団体と比較するのは乱暴かもしれない。けれど、少なくとも「企業の社会的責任」なんかよりは、ずっとリアリティのある世界観。
 
自分がどう生きるかを考える上でも、いろいろと解釈し甲斐のある文章です。引用文から「職業」の概念を取り払ってみると、すごく噛み応えがある。「企業として」でもなく「職業として」でもなく、もっと上のレベルで「個人として」公衆のために何をするか。
個人は世界に影響なんか与えられないと思ったこともあります。じゃあ、「世界」を動かしてるのは誰なんだと考えると、巡り巡ってやっぱり「個人」に帰ってくる。
まだうまく文章にできないから記事にするのも迷ったけれど、忘れないうちに書いておきたい。
革命論議ではないけれど、社会に影響を与えて、自分個人、ひいては社会全体を変革、向上させるにはどのように行動するべきか。「個人的成功」の後の「社会の向上」ではなく、その順番は本当は逆なんじゃないか。世界の中での自分自身の位置付け、生き方をすごく迷っています。
 
(画像source:http://eyes-art.com/pic/