『「旅立ちの日に」の奇蹟』卒業式ソング取材班

勇気を翼に込めて。
「旅立ちの日に」の奇蹟 ~いくつもの”卒業”を経て、今響く歌声~
旅立ちの日に」の誕生秘話を収録しています。作詞者や作曲者、曲誕生当時の生徒も登場する特集DVDと楽譜付。昨日の記事とジャンルは被ってしまいますが、せっかくの綺麗な桜の時期なので、今のうちに紹介しておきます。
このDVDは、2004年3月にフジテレビ「EZ!TV」で特集された映像を再構成したもの。そのときはたった10分のコーナーだったのに、放送直後から問い合わせが殺到、DVD化に繋がったようです。実際、自分もテレビで観ていて、すごく印象に残っていました。あれがほんの10分だったなんて信じられない。それぐらいに、濃い内容です。
いま、全国の卒業式で一番歌われている曲は何だと思いますか?それが、「旅立ちの日に」です。本の発行当時(2005年)でさえ、「仰げば尊し」や「蛍の光」を抑えて、6割の学校で歌われているそうです。自分の学校では歌いませんでしたが、中学や高校で歌ったという友人は周りにたくさんいます。最近ではNTT東日本のCMでSMAPが歌っていますね。
この曲、最初に歌われたのは秩父の公立中。荒れた学校を立て直すために、当時の校長が音楽の先生と協力して作り上げたそうです。そのときは、先生たちから生徒たちへ贈る歌でした。はじめは1991年の一回限りの曲だったはずが、次年度は生徒たちが歌い、翌年、また次の年と歌われていくうちに、教師や生徒のネットワークを通じて周辺の学校へも広がっていきました。それが今では全国で歌い継がれる歌となり、さまざまなアーティストにも取り上げられるようになりました。
仰げば尊し」や「蛍の光」と比べ「感動させよう」「泣かせよう」という作成者の意図みたいなものがやや強くて、少し抵抗を感じるところもありました。それでも、一度きりの卒業式なのだから堅苦しい曲ばかりではつまらないのかなと思ったりもします。作られた裏側を知り過ぎたり、すっかり全国規模になってしまったのがいけないのかな…。素敵な曲なので、ぜひ素直に鑑賞してみてください。
曲自体はあったかい空気が流れていて、とても好きです。合唱曲としては比較的歌いやすく、親しみやすいものとなっています。
DVDでは、全国の中学校で一つの曲を歌い継いで行く映像が一番好きです。ただの一曲と考えてしまえばそれきりですが、大切な節目に彩を添える一曲は、その人の人生にとって本当に大きなものになることでしょう。
個人の小さな動きが、社会全体に影響を与えて行く。時間や場所を超えた、人間の可能性が感じられる一冊です。
 
YouTubeの関連映像。(本のDVDの内容ではありません。)

 
MIDIで聴けるページ。(歌詞も見られます。)
http://homepage1.nifty.com/mrjsroom/midi/words/tabi_hi.htm
 
「旅立ちの日に」の奇蹟 ~いくつもの”卒業”を経て、今響く歌声~
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