読書

『こどもの詩』 川崎洋

天気はあしたのおたのしみ。 大好きでした。実家では新聞を数紙購読していましたが、読売新聞を読むときには「こどもの詩」コーナーに必ず目を通していました。川崎洋さんは同コーナーで、22年間、投稿詩の選評をしていました。「選評」というと言葉がきつい…

『レイコ@チョート校』 岡崎玲子

名門プレップスクールでの生活体験記。 「プレップスクール」とは、欧米の進学校のこと。4年制(中学3年〜高校3年相当)と寄宿制すなわち寮に入って生活することが基本。 本のタイトルにある「チョート校」とは、アメリカにある「チョート・ローズマリー・ホ…

『原色小倉百人一首』 鈴木日出男他

易しい、優しい百人一首。 小倉百人一首を一首ずつフルカラーで解説しています。どの歌にも綺麗な写真が載っていて、歌の意味が少しくらい分からなくても、十分楽しめるでしょう。写真だけでも一冊作れそうなくらい。全体の作りは高校の教材などに使われる国…

『知的財産と創造性』 宮武久佳

徹底的にわかりやすい。 とても上手な文章で、夜中に一気に読み切ってしまいました。というのも、著者はもともと共同通信の記者をされていた方。人に読ませるという視点から非常に良心的に書かれているので、事前知識が無くてもどんどん読み進められます。図…

『月の本』 林完次

月への愛情が、いっぱい。 月に関した写真集は書店に数多く並んでいるけれど、この本は子どもの頃に熱中した図鑑のような個性的なレイアウト。綺麗な写真を載せているだけでなく、神話や科学などの関連説明と組み合わせて、月の神秘性を存分に引き出していま…

『檸檬のころ』 豊島ミホ

舞台は田舎の県立高校。今春映画化予定。 この本のテーマは「青春」。青春小説と言うと、非現実的な世界の中で、見たこともないくらい爽やかな若者たちがキラキラと輝くような話を想像する。誰にも止められない夢に向かって〜、云々?しかし、『檸檬のころ』…

『ハーバードからの贈り物』 デイジー・ウェイドマン(Daisy Wademan)

ハーバード大学ビジネススクール(HBS:http://www.hbs.edu/)の伝統、教授が学期末最後の授業で学生たちへ贈るはなむけの言葉15編を集めた本。 いわゆる授業の「雑談」である。自分はこの「雑談」が大好きだ。ただ知識を得たいなら、教科書を読めば済むかも…

『停電の夜に』 ジュンパ・ラヒリ(Jhumpa Lahiri)

インド系でイギリス生まれの若手小説家。 本のタイトルと、淡くて綺麗な表紙に惹かれて手に取った。本自体は一般的な文庫本の厚さだが、読書慣れしていなくても、中身の濃い短編たちが読者を飽きさせない。 内容は、インド系移民の葛藤や疎外感、インドを訪…

『ウェブ人間論』 梅田望夫 平野啓一郎

せっかく「はてな」で書くんだから、「はてな」の取締役梅田望夫の著書から。 猛烈な速さで進化するウェブ世界を通じて「リンク」された現代人は、肉体的に単一の身体の中に納まらない。生きて行く上で必要とされる情報・能力を、自らの中に無理やり詰め込ん…